ブックタイトル実装技術6月号2013年特別編集版

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概要

実装技術6月号2013年特別編集版

44富士通の歴史を紹介する『富士通テクノロジーホール』1) 神奈川県川崎市にある富士通(株)川崎工場内には、同社の技術と歴史を紹介する『富士通テクノロジーホール』がある。同ホールは3つのゾーン、すなわち『Presentation Zone』『HistoryZone』『Now & Future Zone』で区切られている。本稿では、その中でも、同社が世界に誇る最先端技術であるスパコンを紹介した『PresentationZone』と同社の歴史と技術が分かる『History Zone』を中心に、同ホールを紹介する。 『Presentation Zone ?お客様とともに豊かな未来へ?』では、同社が世界に誇る最先端技術であるスーパーコンピュータ(以下、スパコン)を紹介し、『PRIMEHPC FX10』を展示している(写真1)。世間を大いに沸かせた理化学研究所と同社が2012年6月に共同開発した次世代スパコン『京』は、102個のCPUが搭載された計算機が864台もつながったもので、スパコンの性能ランキング『TOP500』で2011年6月、11月に世界一を2期連続で獲得している( ※ )。『PRIMEHPC FX10』は、『京』に適用した同社のスパコン技術をさらに向上させて開発したもので、高性能、高拡張性、高信頼性をあわせもち、かつ省電力性にすぐれた商用機だ。CPUも同じSPARCチップだが、『京』に使われたCPUの後継チップとなっており、単体の性能向上がなされている。様々な研究に利用され、今後、新たな技術開発を期待されている。 また、スパコンの隣に展示されていた次世代フィルム型プラズマディスプレイ『プラズマチューブアレイ』は、薄型軽量の曲がるディスプレイだ(写真2)。フィルムの表示部の厚さ1mm、重さ1.2kg/m2と超薄型軽量で、水平設置が可能。フレキシブルに曲げられるため、視野を覆い、臨場感がアップするため、円柱への設置を実現し、1×1m のディスプレイを組み合わせて大画面にすることもできる。また、300W/m2とPDPマルチディスプレイの1/2という低消費電力も実現している。 このゾーンの奥には、『History Zone?それは、挑戦の歴史。75年以上に及ぶ富士通の歴史を紹介?』がある。ここは、古河電気工業(株)とドイツのシーメンス社が1923年に富士電機製造(株)を設立し、その後、電話部門を分離して富士通信機製造(株)を設立した1935年からの同社の歴史を世界の重要な出来事と一緒に紹介している。 入口を入ってすぐに、1945 年に逓信院に正式採用された富士形3 号電話機(写真3)がある。この電話機の採用によって、同社は電話機製造業者に指定され、戦後の逓信施設復興に貢献した。そして、リレー式電話交換機で培った技術を用いて、人の手による計算の40?100 倍の速度を達成した日本初(※)の商用リレー式計算機『FACOM(Fujitsu Automatic COMputer)100』を1954 年に完成させ、さらに1957年には中型の科学技術計算用リレー式計算機『FACOM138A』を開発し、主に製品開発の研究や設計の数値計算に活用され、光学機器メーカーではレンズの焦点設計などに使われた。ここに展示されているものは1960年に製造されたもので(写真4)、なんとまだ動くのである!演算速度は、転送0.15秒、加減算0.35秒、乗算0.8秒、除算・開平算2秒で、リレーは4種類で写真1 PRIMEHPC FX10 写真2 プラズマチューブアレイ写真3 富士形3号電話機写真4 FACOM138A