実装技術11月号2012年特別編集版

実装技術11月号2012年特別編集版 page 22/52

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20シミュレーション適用により実装工程のコスト・期間・品質を向上 ?リフロー解析などを簡単な操作で実現するプリント基板専用構造解析システム『SimPRESSO』?実装工程に貢献する技術・ソリューション(株)富士通シ....

20シミュレーション適用により実装工程のコスト・期間・品質を向上 ?リフロー解析などを簡単な操作で実現するプリント基板専用構造解析システム『SimPRESSO』?実装工程に貢献する技術・ソリューション(株)富士通システムズ・イースト5にとって最適な解析システムを構築することもできる。2.解析モデルを容易に自動作成 一般の解析ソフトウェアにて解析モデルを作成する場合には、3 次元CAD データを読み込み、それを基に解析モデルを作成していく。ただし、基板設計者や実装技術者の多くは2次元の電気CADを使用しており、環境面や経験面から3 次元モデル化対応が難しい場合も多い。 『SimPRESSO』ではこれらを考慮して、電気CADの汎用ファイル形式であるIDF ファイルにて基板及び部品の2 次元設計情報を読み込み、そこから3次元モデルを自動的に作成する(図8)。 また、解析モデル作成の際にも必要最低限の簡単な操作で自動的に作成することができる。たとえばBGA部品の場合には各部位の寸法やバンプ配置パターンを入力するだけで詳細な解析モデルを自動的に作成し(図8)、プリント基板も層数、各層の板厚、材質などの入力から解析精度と計算時間を考慮した解析モデルを自動的に作成する。 なお、この際に各銅箔層のガーバデータを読み込むことにより、残銅率や配線パターンを考慮した解析モデルも自動的に作成する。 これらの機能により、解析ノウハウと作業工数を要する解析モデル作成工程を、簡単な操作で短期間に行うことができる。3.『SimPRESSO』適用による効果 シミュレーション適用による効果は今まで述べてきた通りであるが、『SimPRESSO』を適用することにより、さらに解析業務自身の期間短縮や解析専任者に依存しない現場の実装技術者や基板設計者による幅広い活用といった効果も望める。 ある利用者では、解析業務の手法検討から、基板及び部品のメッシュ作成、解析条件設定、解析計算までの工程を解析専任者が13日間費やして作業を行ったが、『SimPRESSO』を利用することにより、1日間で上記解析作業が完了したという例もある。 また、今まではプリント基板に関する解析業務には解析専任者が必要となるために、解析現象をある程度限定しても解析業務の立ち上げまでに3 ヶ月程度を要したが、『SimPRESSO』を利用することにより、シナリオによる解析業務であれば、数日程度の教育で解析業務を立ち上げることができたという例もある。   おわりに(今後の展開) 本稿では、実装工程にシミュレーションを適用することによる効果、並びにプリント基板専用構造解析システム『SimPRESSO』による解析事例や特長について紹介した。 『SimPRESSO』については、さらなる機能の充実化や新たな解析現象への対応を図るため、今後も開発を継続していく予定である。 シミュレーションは、その効果は認められながらも専門性の高さから適用を躊躇されがちであるが、本システムの適用により、現場の実装技術者や基板設計者に広く利用され、実装工程での効率化や品質向上に貢献することができれば幸いである。<引 用 文 献 ・ 参 考 資 料>1)宮崎浩二:“シミュレーションの多様なハードルを解消~リフ ロー工程の温度分布を可視化するソフトウェア~”、エレクト ロニクス実装技術 vol.27 No.11,pp10~pp13 (2011)2)http://jp.fujitsu.com/solutions/plm/analysis/ simpresso/図8 解析モデルを容易に自動作成