実装技術11月号2012年特別編集版

実装技術11月号2012年特別編集版 page 18/52

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16実装工程に貢献する技術・ソリューション~リフロー解析などを簡単な操作で実現するプリント基板専用構造解析システム『SimPRESSO』~シミュレーション適用により実装工程のコスト・期間・品質を向上12   はじ....

16実装工程に貢献する技術・ソリューション~リフロー解析などを簡単な操作で実現するプリント基板専用構造解析システム『SimPRESSO』~シミュレーション適用により実装工程のコスト・期間・品質を向上12   はじめに 近年、電子機器はあらゆる分野に適用されており、それに伴うプリント基板への小型軽量化や高品質化の要求が高まっている。それは実装工程にも及び、たとえば広く用いられているリフロー実装においても、高密度実装化、搭載部品の多様化、はんだの鉛フリー化といった課題をクリアしながら短期間でリフローの条件出しを行うことが要求されている。 このような課題の改善策の一つとして、コンピュータ上でのシミュレーション(解析)による検討手法の適用があり、富士通グループでも90年代から積極的に取り入れて実務活動を行っている。 しかし、プリント基板実装に関わるシミュレーションは高度な専門技術が要求されるものが多く、実務上では解析専任者が対応しているのが現状であるが、実際の現場での適用を考えた場合、実装技術者や基板設計者の方でも簡単な操作で解析業務を行うことができる仕組み作りが必要となる。 そこで、当社では、解析初心者でもリフロー解析などのプリント基板構造解析を簡単な操作で実現できるシステム『SimPRESSO(シムプレッソ)』を開発し、販売/サポートを行っている。 本稿では、『SimPRESSO』によって実現可能な解析事例や特徴について紹介する。   シミュレーション適用による   メリット 実験によるリフローの条件出し検討の際に、次のようなご苦労をされた方も多いのではないだろうか。●ポイントとなる箇所がまだ不明なため、基板上の広 い範囲に数多くの熱電対を付けて計測/評価する 必要があり、実験コスト/期間が掛かってしまう●実際のラインを止めて実験を行う必要があり、様々 な加熱条件などを試すことができず、大幅な品質向 上の実現が難しい●実験検討の結果、リフロー加熱条件などの改善だけ では対応できず、設計変更のために設計者へのフィ ードバックが発生することがある これに対してシミュレーションを適用した場合、試作品のない上流工程からでも実装検討が可能であり、実験前にリフロー実装上の様々な条件をシミュレーションにて評価して事前に有効な条件や測定ポイントを求めておくことにより、有効かつ効率的な実験評価や実験回数の削減が可能となり、実験コスト/期間の改善につながる。 さらにシミュレーションでは、実験コスト/期間を気にすることなく様々な条件を試行錯誤して、より有効な条件や手法が検討できるため、品質向上にもつながる。 また、基板設計者としても設計段階でシミュレーションによる実装工程の評価ができるため、実装工程を考慮した基板設計が可能となり、これにより実装不備による工程の後戻りの可能性も大幅に低減することができる。   『SimPRESSO』による解析事例 『SimPRESSO』は、プリント基板構造解析の各現象に応じた、『シナリオ』と呼ばれるメニューを選択して、その指示に従って操作しながら解析作業を行う(図1)。 まずは、『SimPRESSO』にて解析可能な現象につ(株)富士通システムズ・イースト/ 和田 嘉一3