実装技術10月号2012年特別編集版

実装技術10月号2012年特別編集版 page 27/48

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概要:
25ルネサスの高耐圧パワーデバイスの取り組み電子部品技術23 この深溝トレンチ方式で開発したSJ-MOS-FETは、①従来製品と比較して約52%減となる150mΩ(ID=10A、VGSS=10V時の標準値)のオン抵抗を有しており、②....

25ルネサスの高耐圧パワーデバイスの取り組み電子部品技術23 この深溝トレンチ方式で開発したSJ-MOS-FETは、①従来製品と比較して約52%減となる150mΩ(ID=10A、VGSS=10V時の標準値)のオン抵抗を有しており、②スイッチング速度に影響するパワーMOSFET駆動容量(Qgd)を従来比で約80%減となる6nC(ID=10A、VGSS=10V時の標準値)を実現しており、セットの小型化や電力変換効率の向上に貢献する。さらに、パワーMOS-FETの性能指標とされる(Ron xQgd)においては、従来比で90%もの改善を実現しており、業界トップクラスの性能を有している。 そして、従来と同等の外形を採用し、ピン配置も業界標準を採用することで、従来のプレーナ構造MOSFETが使用されていたスイッチング電源回路での使用が可能であり、また、従来と比べて単位面積あたりのオン抵抗を約80%低減しているため、同等のオン抵抗品と比べてチップ面積を低減でき、TO-3P を使用していた製品をTO-220FLなどの小型パッケージに置き換えることが可能である。 当社では、深溝トレンチ方式をさらに進化させ、本方式でのSJ-MOS-FET の開発を加速、また、600Vを超える高耐圧SJ-MOS-FET の開発なども進めていく計画である(図2)。   高速FRD内蔵タイプ   SJ-MOS-FET 従来、エアコンなどに搭載される高電圧の高速モータ、インバータでは、逆回復時間の短いFRDを内蔵したIGBTが主に使用されていたが、より高速な制御による低損失化と安定動作というニーズに対応するため、損失(オン抵抗)が少ないSJ-MOS-FET で、かつ高速の逆回復時間(trr)を実現した高速FRD内蔵製品が求められていた。 そこで、当社では、これまでの高耐圧MOS-FET での技術開発のノウハウを生かし、高速FRD 内蔵版のSJ-MOS-FET を開発、製品化した。 これらの製品は、①業界最小レベルのオン抵抗150m Ω(標準値)を維持、機器の省電力化に貢献しつつ、②高速モータやインバータ制御機器向けにFRD 仕様の最適化を行い、ダイオードの逆回復時間(trr)を当社従来品のSJ-MOS-FET の約3 分の1 である150ns まで高速化している。 さらに、表面構造の最適化によるゲートードレイン容量(C rss)の最適化を行い、高速スイッチングと共にスイッチング時におけるリンギングなどの誤動作を防止しており、高速モータやインバータ制御機器に多く使用される3相ブリッジ回路などの低損失化と安定動作の両立に貢献する(図3)。   第7世代IGBTシリーズ 上述のSJ-MOS-FET の低オン抵抗化による低損失化のトレンドと同様に、特に、当社が取り組みを強化しているスマート社会市場では、太陽光発電や、水流ポンプ、大電流インバータ制御モータなどの高電圧・大電流機器における省電力化が強く推進されており、電力を直流から交流に変換する際に使用されるルネサス エレクトロニクス(株)図2 性能指標(RonxQgd)における競合他社との比較図3 高速FRD内蔵版と従来品との逆回復特性の差異高速FRD内蔵SJ-MOS-FET従来のSJ-MOS-FET