実装技術10月号2012年特別編集版

実装技術10月号2012年特別編集版 page 24/48

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概要:
22 また、図4に耐圧評価データの一例と容量及び耐圧の評価結果を示す。キャパシタ16 個並列構造のTEG の目標容量52pF・耐圧100V 以上に対し、33pF・60V を確認した。目標値に対しやや下回ったが、これは誘電体の膜厚....

22 また、図4に耐圧評価データの一例と容量及び耐圧の評価結果を示す。キャパシタ16 個並列構造のTEG の目標容量52pF・耐圧100V 以上に対し、33pF・60V を確認した。目標値に対しやや下回ったが、これは誘電体の膜厚の最適化で調整可能な範囲であるので、この結果から、今回のSiインタポーザに70nF程度のデカップリングキャパシタを内蔵可能であることが実証できたと考え、図5 に示す様に3 次元画像センサモジュール用デカップリングキャパシタ及びSi インタポーザの設計とウエハ製作を行った。 設計に際しては、3次元集積システムに内蔵されるアナログ回路及びデジタル回路用の多電源回路電源インピーダンスを低周波から数GHz帯域の高周波領域までシミュレーションによる評価を行った。図6に、デカップリングキャパシタ入りSiインタポーザの電源インピーダンスのシュミュレーション結果を3次元LSIの車載応用に向けたTSV応用デカップリングキャパシタ電子部品技術技術研究組合 超先端電子技術開発機構(ASET)3示す。デカップリングキャパシタあり/なしの差は歴然であり、200 μ mピッチと400μ m ピッチの高周波部分は変わらないが、400μ mは低周波で共振モードが現れているため、峡ピッチTSVの効果がうかがえる結果となり、特にI/Fチップに対しては、5GHzで1.2Ω以下・共振なしという前例をみない効果をシュミュレーションで確認できた。 今後は試作の完了を待って試作チップでの効果測定を行う予定である。 具体的には、図7 に示すように、車載電子機器の3次元集積化応用例のひとつである『複合センサ+アンプ+通信回路』の3 次元集積チップを、自動車用運転支援画像処理システムに用い、安定的に動作させる事を目標としている。   今後の展望とまとめ デバイスを正しく動作させることはシステム設計者の仕事の一つであるが、見方を変えればデバイスの付加価値領域でもある。特に高周波領域での挙動をデバイス外部で制御するのは不経済であるばかりか、不可能である場合もある。多電源を干渉なく供給すること同様である。安易にデカップリングキャパシタ(パスコン)というが、ようはデバイス動作に必要な部品がすべてデバイス側に含まれているわけではないことを示しているともいえる。 応用からの要求は車載機器に限らず『ヘテロ集積』『低電力』『高信頼性』であり、これらに応えるため半導体デバイスの3 次元化は進むと思われ、ヘテロ積層を図4 TEG試作の評価結果利用した新機能デバイスが開発や、各種性能の飛躍的図5 3次元画像センサモジュール用デカップリングキャパシタとSiインタポーザ