実装技術3月号2012年試読

実装技術3月号2012年試読 page 9/26

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27韓国におけるFPCの技術動向プリント配線板技術の最新動向CST(株)4写真7 外形加工写真8 最終検査やスマートフォンに使用されるLCD 周辺用途がほとんどを占めている。 一般論でいえば、韓国のシステムメーカー....

27韓国におけるFPCの技術動向プリント配線板技術の最新動向CST(株)4写真7 外形加工写真8 最終検査やスマートフォンに使用されるLCD 周辺用途がほとんどを占めている。 一般論でいえば、韓国のシステムメーカーはFPCを部品としてではなく、一基板として考えている。 一例を挙げれば、システムメーカーでLCD のバックライト用としてLED が実装されたFPC を調達する場合、FPC メーカーにFPC のみを発注すると同時に、完成したFPC をシステムメーカーが認定した部品実装会社に納入するよう指示する。すなわち、多くのFPC メーカーはFPC のみを生産しており、日本を含めた他の国のFPC メーカーのように部品実装まで行ない、実装品として責任をもってシステムメーカーに納入することは行なっていない。 韓国でのFPC 利用の現状は、前述の通りであるので、ほとんどが片面・両面FPC となっており、一部の機器で 使用されている多層FPC といえども、せいぜい3 ~ 4 層程度にとどまっている。 日本でも知られた韓国のFPC メーカーでの月間生産量は、数社が100km2 以上となっているが、多くは50km2 以下の規模で生産を行なっている。現在、韓国FPC メーカー各社は、今後の高密度・多層化FPC の需要を予測して、ファインパターン化(L/S:40/40 μ m)や高多層化(~ 10 層)に向けての技術確立を完了している。 ここ最近、一部の自動車メーカーがヘッドライトやバックミラーへのFPC採用を始めたことや医療機器での採用を検討し始めており、今後は自動車産業や医療機器へのFPC 利用が増えると期待している。 欧米ではすでに、自動車用(ヘッドランプ・バックランプ・バックミラーなど)としての採用や医療機器用(CT・MRI など)や航空宇宙産業への導入が活発化しており、そういう意味では、韓国国内においてもこれまでのLCD バックライト用途から新たな産業への展開が始まると期待している。 新たな産業機器での採用は、今以上の高密度・高多層FPC の需要のみならず、高付加価値化したFPCの市場が生まれるといった観点から、非常に重要なこととして捉えている。 しかし、このような分野に進出するためには、国際標準をクリアした生産体制、環境対応の認証取得が必須となることから、当社では2003 年5 月にUL 認証を取得し、2004 年4 月にISO9000 とISO14001 を取得し、さらに2011 年9 月には自動車関連部品の製造に対応すべくTS16949 の認証取得を完了している。   まとめ これまで、システム開発者の方々にとって、FPCは高いという先入観があったと思われるが、本稿の製造工程の項で説明した通り、リジット基板とは違い、随所でFPC がもつメリット(薄い、軽い、柔軟性)を活かすために数々の工夫を行っていることと、銅箔にはFPC の柔軟性を確保を目的として、圧延銅箔を使用しているために、多少コスト高になっていることことをご理解いただけたのではないかと思う。 FPC を採用することは、システムのトータルコストで見ればコネクタ使用量の削減による効果や、R/F 基板の採用によりメイン基板として利用することが可能となる。したがって、FPC がもつメリットを最大限活用した使用法に限定し、機器内での複雑な形状(隙間)に対応した基板としての利用が可能となり結果として、小型・軽量化した電子機器を低価格で実現できる可能性をもっている、といえる。 この先、現在以上にFPC を利用した機器が出現することを期待している。 当社は今後、日本の機器開発メーカーの技術者の方々とのコミュニケーションの機会を密にし、お客様からのニーズに迅速に対応させていただき、より良いFPC の生産に向けて品質・技術力の向上に努めていく所存である。