実装技術3月号2012年試読

実装技術3月号2012年試読 page 22/26

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50これあれ塾前田真一の最新実装技術連 載第12回 LSI消費電力情報の利用1. LSIの消費電力把握 現在、その必要性が高まり、手法の提案などもされていますが、システムICでは消費電力の正確な把握はまだ困難な状態に....

50これあれ塾前田真一の最新実装技術連 載第12回 LSI消費電力情報の利用1. LSIの消費電力把握 現在、その必要性が高まり、手法の提案などもされていますが、システムICでは消費電力の正確な把握はまだ困難な状態にあります。 システムICはシステムにあわせて設計、製造するために、CPUやメモリなどの汎用ICよりも短い開発期間が要求されます。特に消費電力測定のためのテストベンチ的なソフトを開発したり、測定用治具を作成したりする時間とコストの余裕がない場合も多くあります。 また、システムICでは、多くのIPブロックを組み合わせて設計しますが、普通、IPは設計データや論理解析用モデルデータ、最大消費電力データなどは揃っているものの、詳細な内部情報は各社のIP(知的所有権)となり、情報開示はされません。 一般にシステムIC の動作は、すべてのIPブロックが100 %の稼働率で同時に動作することはありません。IPを組み合わせIC を設計するのはIC ベンダですが、できたシステムIC の各ブロックを動作させるソフトはセットメーカーが組みます。各IP の最大消費電力を単純に加算した場合、ASIC の消費電力は膨大なものとなり、このままシステムの設計を行えば、過剰設計になってしまいます。 誰もがその必要性はわかっているのですが、実現には多くのコスト(解析時間)がかかり、その情報をうまく使いこなすだけのインフラがない状況です。2. LSIの温度把握 CPUやASICなど消費電力が大きく、発熱が大きなLSIでは、IC の回路内部に温度センサを組み込み、温度を監視しています。 ダイオード(トランジスタ)に流れる電流は大きな温度依存性をもっています(図1)。このため、ICにダイオード(トランジスタ)を組み込んでおき、外部から、このダイオードに流れる電流値を測ることによりICチップ本体の温度が測れます(図2)。 この温度により、冷却用ファンの動作をコントロールしたり、CPUチップの電源電圧やクロック速度をコントロールしたりして、CPU の稼働を制御することに図3 高機能・高発熱 VS 中機能・低発熱図1 ダイオードの温度特性(東芝:半導体規格)図2 IC の温度センサ