実装技術3月号2012年試読

実装技術3月号2012年試読 page 20/26

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概要:
46図74.エアリフロー炉での対策事例 エアリフロー炉においても同じでフラックスを劣化させる上部ヒータのファン回転数を抑え、不足する熱量はヒータ温度(特に下部のヒータ)を高くすることで対応する。 ただし、....

46図74.エアリフロー炉での対策事例 エアリフロー炉においても同じでフラックスを劣化させる上部ヒータのファン回転数を抑え、不足する熱量はヒータ温度(特に下部のヒータ)を高くすることで対応する。 ただし、エアリフロー炉はファンによる熱風で部品や基板に熱を供給しているので、メーカーよりも機種による調整が異なるので、個々に調整方法を確認する必要がある。 従来、下部ヒータを10 ℃程度までは上部ヒータより高くすることは可能と伝えたが、実際問題として10℃差ではあまり効果が確認されていない(機種により変わる)。特に、最近の小型化された炉は短くした分の熱量をファンの回転数(熱風供給方法)で補っているので、下部ヒータのみの調整は難しいようである。 特に各ヒータやファンの回転数を個々に調整できる炉であれば、エアリフロー炉でも調整は可能で、室温からはんだの溶ける(220 ℃)までの上下のファン回転数を下げ、その分ヒータ温度を上げる。はんだを溶かす融点以上は通常の調整のままに抑える。トップ温度は上部ヒータのトップ温度の影響を受けるが、微調整は同じく下部ヒータのトップ温度を、上部ヒータより下げることで両面リフロー時の下部の部品に対する熱影響を抑えることが可能である。 温度プロファイルの波形はあくまでも上部ヒータの熱を基板表面に取り付けられた温度センサが捉えた熱で、下部ヒータの調整は直接温度プロファイルの波形にほとんど現れてこない。調整効果の確認は、遠赤外線リフロー炉と同じく、フラックス残渣の形状(熱反応状態)とフィレット形状及び光沢と滑らかさで判断する。 はんだ付けは母材とリードの金属表面の酸化物をフラックスで除去して、溶けたはんだ(すず)と金属の間に金属間化合物を形成することで接合する。いずれにしても、フラックスを劣化させずにはんだを溶かすには、それぞれの炉の特性に合わせて調整し直す必要がある(図7)。 エアリフロー炉はそれぞれ特性が異なるので、遠赤外線+エアリフロー炉のように、画一的な調整方法は提示できないため、上下の各ヒータ、ファン回転数、コンベア速度で調整したものをX 線観察して、ボイドの確認をしていただきたいと思う。5.事例②  量産現場における  温度プロファイル良否の判定 フラックスの熱反応が一番良い状態がはんだ付け品質の一番良い状態になる。それゆえ、温度プロファイルの良否の判定は規格数値のみでは十分ではなく、基板上で最初に熱反応を示すフラックス残渣の形状と、フィレット形状及びフィレット光沢とフィレット表面の滑らかさで適否を判断する。その後にボイドの観察を行い、はんだ付けの良否の判定を確定する。現場では、それでも発生する問題については基板や部品側の問題として捉酸化されたリードに対して熱量(プリヒートとトップ温度を上げたプロファイル)を増やしたが、ぬれ性は悪い熱不足ではんだが未溶融部分が残っている光沢不良、ボイドの可能性が強い熱量を削減する(プリヒートを短くする)ことでフラックス効果を引き出し酸化したリードのぬれ性も改善している下部ヒータ(8 ゾーン炉)をすべて5 ℃上げることで、部品への熱影響を抑えてはんだを溶かしている下部ヒーターを上げることでプロファイルを短くしてフラックスの劣化を抑え、かつ冷却速度の改善でフィレット光沢が改善している