実装技術3月号2012年試読

実装技術3月号2012年試読 page 18/26

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44 プリヒート部のフラックスへの熱影響を抑える方法として、下部ヒータの活用の他に、遠赤外線の活用がある。特に下部の遠赤外線はもっとも効果があり、部品の熱影響を抑えながら必要な熱を基板に供給することがで....

44 プリヒート部のフラックスへの熱影響を抑える方法として、下部ヒータの活用の他に、遠赤外線の活用がある。特に下部の遠赤外線はもっとも効果があり、部品の熱影響を抑えながら必要な熱を基板に供給することができる。現場では使用装置の特性が異なるので、たとえ同じメーカー製であっても、実際の操作はフラックスの劣化状況とフィレット形状、光沢、表面の滑らかさなどで決める。 前ページの図3 の実験のように、フラックスが塗布されていない、または劣化した状態では、はんだは溶けてもぬれ広がることはない。プリヒートを長く(高く)することは、このようにフラックスを劣化させることになる。 現状では耐熱性の高い溶剤を加えたり、N2 の使用または強活性剤を用いるなどの対策をしているが、現場では本来、鉛はんだと同じ基板や部品を使用しているので、はんだの融点とその表面張力以外はあまり考慮せず、プリヒートでのフラックスの劣化を抑えることが重要となる。 大型のリフロー炉ではコンベア速度を速くしてフラックスが劣化する前にはんだを溶かし、また小型炉では遅くして十分に熱供給するなどといった点に留意すべきである。3.遠赤外線+エアリフロー炉での  対策事例 遠赤外線+エアリフロー炉での対策としては、下部のヒータ温度を上部ヒータより約30 ℃上げて、下部からの熱供給で基板を通してフラックスへ熱供給し、熱風による劣化を防ぎながらはんだのぬれ性を確保する。 ここで問題になるのが、両面基板における裏面の部品への熱影響である。エアリフロー炉では部品の耐熱性上、下部からの熱供給には限界があり、また、装置特性として上下の熱風の干渉でヒータコントロールができないようになっている。特に古い炉は別にして、最新の性能の良い炉の中には10 ℃程度しか調整できないものもあり、あまり効果は期待できない。■下部の温度プロファイルの 熱影響 図4 のプロファイルでは、下部ヒータを上部ヒータより約30 ℃上げているが、裏面のモールド部品(QFP / SOPなど)の温度は241.5 ℃ から230.9 ℃に下がっており、基板は240.0 ℃ から234.7 ℃ 下がっている。融点(220 ℃)以上も、それぞれ43.0 秒から38.5秒と、42.0 秒から36.0 秒と短くなり、基板や部品への熱影響は逆に緩和されている。 遠赤外線はメタル(部品リードやアルミコンデンサなど)への熱効率は良くないが、樹脂(基板やモールドなど)などは、遠赤外線効果で自己発熱し、基板内部への熱移動(上部ヒータ⇒部品リード⇒はんだ⇒ランド⇒パターン・ホール)を抑え、リフロー部では逆に基板からランドへ熱移動が起こり、より少ない熱量でのはん図4 だ付けが可能である。        Ach     BchPeak      240.0 ℃   241.5 ℃220 ℃以上    43.0 秒   42.0 秒          コンベア速度= 0.9m/mヒータ上= 170 ℃ 180 ℃ 190 ℃ 210 ℃ 230 ℃ 245 ℃ 245 ℃ 245 ℃ヒータ下= 200 ℃ 210 ℃ 220 ℃ 240 ℃ 260 ℃ 270 ℃ 270 ℃ 270 ℃ ①    ②    ③    ④    ⑤    ⑥ ⑦ ⑧