実装技術3月号2012年試読

実装技術3月号2012年試読 page 12/26

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概要:
30透明以外は、リジッド基板やPIを用いたフレキシブル基板の特性値と同等になる。さらに、リジッド基板やフレキシブル基板と同様の取り扱い、かつ部品実装であり、透明な特徴以外の相違はなく、いつも使っている基板....

30透明以外は、リジッド基板やPIを用いたフレキシブル基板の特性値と同等になる。さらに、リジッド基板やフレキシブル基板と同様の取り扱い、かつ部品実装であり、透明な特徴以外の相違はなく、いつも使っている基板として使用可能である。   透明プリント配線板材料の開発と   生産方法 先ほども述べたように、透明フレキシブル基板『SPET』は開発した透明プリント配線板材料の加工品である。 この透明フレキシブル基板『SPET』を理解していただくために、まず透明プリント配線板材料について説明する。 透明プリント配線板材料のベース技術となるのは、新開発したプレポリマである。基板加工を主とする我々の業界では、銅張積層板は材料メーカから購入するのが一般的である。その銅張積層板は、材料メーカーが原料から開発、キャスティングしたり、材料となるフィルム、接着剤、銅箔などをラミネートする場合がある。このような一般的な仕事の流れが社内においても『常識』といわれ、揺るがざる事実である。この『常識』も結果的にはイノベーションの邪魔になるため、企業家精神と大きなパワーを他にも注ぎながら、透明フレキシブル基板材料のプレポリマを開発した。 モノマ、プレポリマの開発は、実は化学とは無知の集団からの試行錯誤のスタートとなった。この無知の集団が、既成概念を知らなかったゆえに偶然見つけ出せたのが、今回開発したモノマ、プレポリマである(これ以上の詳細な情報はこの場では割愛する)。 開発当初は、このプレポリマを銅箔に塗布し、硬化させるキャスティング法で透明フレキシブル基板材料を形成していた。よって、温度特性は一様に高く、大変柔軟な特性を備えていた。しかし、プレポリマーを多く使用することによるコスト高の問題と高柔軟性による工程での扱いにくさがあった。マーケティングの結果、この二つの課題では市場採用が少ないことが分り、キャスティング法での基材形成は見直すことになった。幸運にも、この見直しが透明フレキシブル基板材料をさらに市場ニーズにあった基材へと進化させた。 また、プレポリマは、銅箔と透明度の高いPETフィル透明フレキシブル基板でイノベーションするプリント配線板技術の最新動向シライ電子工業(株)54ムとの密着性を高めるとともに、リフローはんだ部品実装時の熱でも透明性を維持することが特徴である。このプレポリマの密着性は、引き剥がし強度試験で1N/cm以上、リフロー炉通過後の透明度は、全波長域での透過率は85.0 %以上、ヘイズは7.0 以下である。 このプレポリマを用いて、厚さ18μm、幅1m、長さ数百mの銅箔と厚さ100μmのPETを、ラミネート法とキャスティング法の良い所を取り入れた独自の方法で、プレポリマを塗布している。また、プレポリマの厚みコントロールは均一にするための特殊処理を行い、プレポリマー厚みは30μmで均一となるように設定している(図2)。   ラージエリアエレクトロニクスの   基板生産方法 透明フレキシブル基板材料をベースに、透明フレキシブル基板『SPET』の加工品の生産方式も、Roll toRoll方式を採用した。また、パターニングの工法は、印刷法と写真法の両工法でパターンニングができる工法とし、要求されるパターン密度などで最適工法を選定できるようにした。このパターンニングの印刷法と写真法の両工法の両立は、主力事業のプリント配線板の加工・管理能力を充分に活用できるコア技術の利点を活かした。 さて、次工程のレジスト塗布工程では、当初塗布用の透明レジストインキの開発も行った。このレジストインキも新開発したプレポリマを用いた透明インキで、先ほ図2 透明フレキシブル基板材料