実装技術3月号2012年試読

実装技術3月号2012年試読 page 10/26

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28プリント配線板技術の最新動向透明フレキシブル基板でイノベーションするシライ電子工業(株)/ 岡田 浩一12   はじめに 論語に『君子の徳は風なり、小人の徳は草なり。草之に風を上うれば、必ず偃す』とあ....

28プリント配線板技術の最新動向透明フレキシブル基板でイノベーションするシライ電子工業(株)/ 岡田 浩一12   はじめに 論語に『君子の徳は風なり、小人の徳は草なり。草之に風を上うれば、必ず偃す』とある。この意味は『上に立つ者の徳は、風のようなものであり、下にある人の徳は草のようなものである。善い風を吹きかければ善い方になびく』という意味である。 これは創業者が私たちに投げかけた論語である。比喩で、いい心がけ、いい習慣を大切にすれば、必ずいい風が吹き、成功に辿り付けるということが、私が創業者から学んだことの一つである。今では創業者から経営体制も移行し、創業45 周年を迎えることができた。 さて、これからのビジネスは、市場変化と顧客ニーズの変化と多様化で、従来ビジネスの延長では企業成長ができなくなってきているのは周知のとおりである。某メーカーでは、『脱本業』の積極策と成功でこれからのビジネスモデルを構築し、大いに見習うべき点がある。規模は異なれど、今までから『新しいことをやってみよう』の精神を育成する経営戦略としての人材教育を行ってきた我々の部門にとっては、この『やってみよう』は、これからの変化の時代もイノベーションしていく必要があるという点では、運とさきがけと未来を切り開いていく役割があったといえる。 このようなシュンペーターのイノベーションで注目すべきは、『新しい供給源を獲得すること』であり、技術革新における新材料の開発を重視すべきことを示している。 さて、今回ご紹介する透明フレキシブル基板『SPET』(図1)は、この変革時期にいい風を吹かすことができる視点とやってみようの観点から生まれた新材料である透明プリント配線板材料を用いた加工品である。新しい取り組み技術として、従来のコア技術であったプリント配線板の加工・管理能力をベースに、プリント配線板材料の基材生産の構築、ラージエリアエレクトロニクスの基板加工生産の構築、組立て実装生産方式の構築などを行っている。この新しい透明プリント配線板材料及び透明フレキシブル基板『SPET』で、新たな市場を切り開いて、日本市場にもいい風を吹かしていきたいと考える。   透明フレキシブル基板とは 透明フレキシブル基板とは、ポリエチレンテレフタレート(PET)に銅箔を張り合わせた基板であるが、一体どういった基板なのであろうか?インターネットで『透明フレキシブル基板』と検索をしてみると、今回ご紹介する透明フレシブル基板『SPET』以外にも、沢山の透明フレキシブル基板がヒットする。ここで、先に同名で誤解を生みやすい透明フレキシブル・ディスプレイやディスプレイ・フィルムまたはシールド・フィルム用の透明フレキシブル基板との違いについて述べる。このディスプレイ用の透明フレキシブル基板は、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、シクロオレフィンポリマ(COP)、透明ポリイミド(PI)な図1 透明フレキシブル基板『SPET』どの透明材料をベースに、薄膜製膜や導電膜を印刷し