実装技術1月号2012年試読

実装技術1月号2012年試読 page 7/24

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27海外拠点で生産した実装品における信頼性の確保 ~流出不良が増加している現状とその対策~はんだ関連技術63Sn37Pb 共晶はんだの1.5 倍から2 倍の引張強度をもつなどの特徴があるが、Cu へのぬれ性が悪く、ぬれ広....

27海外拠点で生産した実装品における信頼性の確保 ~流出不良が増加している現状とその対策~はんだ関連技術63Sn37Pb 共晶はんだの1.5 倍から2 倍の引張強度をもつなどの特徴があるが、Cu へのぬれ性が悪く、ぬれ広がり率では63Sn37Pb 共晶はんだが90 %を超えるのに対し、70 ~ 80 %前後になるなどの特徴をあわせもつ。 こうした中、電子制御機器の高機能化、小型化、薄型化要求により、搭載される電子部品点数は増大し、高密度実装のためのリードレス部品(BGA:BallGrid Array、CSP:Chip Scale Package など)の採用、小型部品対応のためのランド間隔の狭ピッチ化などに伴い、はんだ接合部は小さくなる状況にある。このような傾向からはんだ接合部の信頼性向上はますます重要となっている。● IEC 規格とそのレベル1)IEC61191-1 プリント板実装 第1 部:通則(表面実装及び関連する実装技術を用 いた電気/ 電子機器用はんだ付け実装)2)IEC61191-2 プリント板実装  2 部:部門規格(表面実装はんだ付け)3)IEC61191-2 プリント板実装 第3 部:部門規格(挿入実装はんだ付け)4)IEC61191-2 プリント板実装 第4 部:部門規格(端子はんだ付け実装) この規格は、電気/電子機器が意図された最終用途により分類されることを認めており、生産性、機能的な性能要求事項及び検証(検査/試験)頻度における差異を考慮し、三つの一般的最終製品レベルが制定されている。レベル間には製品が重複する可能性があり、組み立て品の購入者はその製品が属するレベルを決定する責任がある。契約において要求するレベルを指定すると共に、必要に応じて特性に対する例外または付加要求事項を指示する。●レベルA:一般電気製品(民生用) 消費者製品、ある種のコンピュータとその周辺機器および主要要件が完成組立品の機能である用途に適するハードウェア。●レベルB:業務用電気製品(産業用) 通信機器、高性能な業務用機器および高性能且つ長寿命が必要で、必須ではないが中断のないサービスが望まれる機器。一般的に最終製品使用環境は障害を起こさないように管理されている。●レベルC:高性能電気製品(特殊用) 連続した処理能力または要求時に即応した処理能力が必須である全ての機器。生命維持システムや危機管理システムのように、設備故障時間は許されず製品使用環境は非常に苛酷であり、機器は必要な時に必ず機能しなければならない。 IEC 規格は、Sn-Pb 共晶はんだを対象に制定されているが、これに鉛フリーはんだ合金を含める方向でJIS 化される検討が進められており、基本的な接合基準の変更はないものと考えられている。その場合、特に各項目の寸法規格などは変更することなく従来どおりとしている。大きく変更される事項としては、はんだの表面光沢が予定されており、IEC 規格のJIS 化案を引用すると以下の通りである。*********************** 5.1項 はんだ JIS Z XXXX に準拠する鉛フリーはんだ並びにJIS Z 3282 に準拠するSn60Pb40、Sn62Pb36Ag2 及びSn63Pb37 の組成のはんだ(はんだの形は任意)を使用する。この規格の他の全ての条件が満足され、購入者と製造者の間で同意されれば、製品に要求されるサービス寿命、性能及び信頼性を提供する他の合金を使ってもよい。例えば、ある製造者はSn60Pb38Bi2 を使う事により、光学的な検査が容易なツヤ消し面になる事を知った。 10.2.4 項 はんだ接合は、はんだが表面に対して90 度以下の角度を成し、濡れと密着が充分なものを合格とする。ただし はんだの分量が多くランドの端を超えるような場合は90度を超えてもよい。一般的に はんだの接合表面は滑らかであるとする。サテン仕上げの光沢は合格とする。 通常使用される はんだ合金の構成、リード線の表面処理、プリント板の表面処理、特殊はんだ付け等により、はんだ表面の光沢がなくなったりグレーになったり、粒ができたりする事がある。これらのはんだ接合は合格とする。*********************** このようにIEC 規格そのものは、実装現場での良否判定基準に比べ、ゆるいものとなっている。したSTC ソルダリング テクノロジ センター