実装技術1月号2012年試読

実装技術1月号2012年試読 page 6/24

電子ブックを開く

このページは 実装技術1月号2012年試読 の電子ブックに掲載されている6ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
26はんだ関連技術海外拠点で生産した実装品における信頼性の確保~流出不良が増加している現状とその対策~STC ソルダリング テクノロジ センター/ 佐竹 正宏 1  はじめに2 ~取り巻く環境が信頼性の見方を変え....

26はんだ関連技術海外拠点で生産した実装品における信頼性の確保~流出不良が増加している現状とその対策~STC ソルダリング テクノロジ センター/ 佐竹 正宏 1  はじめに2 ~取り巻く環境が信頼性の見方を変える~ 近年、アメリカ経済の落ち込みや欧州での金融不安を背景に、これまでにない円高市場を余儀なくされ、国内での生産から海外での生産に切り替える企業が多くなっている。 また、地震や津波といった自然災害やタイの洪水の影響により、電子部品そのものの安定した供給が困難となっており、海外製の電子部品を使用する製品も少なくないのが現状となりつつある。 このように、これまで我々が選択してきた量産体制から大きな変貌を遂げようとしている中、相変わらず各種製品の開発サイクルとそのスピードは加速の一途を辿り、量産までに充分な時間と工数を掛けることができない状況が続いている。こうした状況は今後も続くことと思われる。 確かに海外生産では人件費等の固定費が、海外製の電子部品では単価が低く抑えられることは事実であり、現在の国内を取り巻く環境ではそうせざるを得ない面や、コストメリットを確保するうえでは間違った選択とはいえない。 しかし、こうした背景に伴い、客先・市場故障品が増加しているのはご存知であろうか? 当社の元にもここ数ヶ月、海外生産品における故障解析の依頼や海外生産現場の改善依頼・工場の監査、海外生産及び海外製電子部品を使用した信頼性評価の指導の依頼が急増している。生産品目の海外移行や代替え部品による急激な変化によって、品質・信頼性の確保が困難になっていることと、遠方による意思の疎通、国民性の違い等が要因の一つであることが予想される。 そこで、今回から不定期シリーズとして、鉛フリーはんだ接合部の信頼性確保について、事例を紹介しながらその重要なポイントを報告する。   外観判定基準について 環境問題から鉛を含まないはんだ、いわゆる『鉛フリーはんだ』材料及びそれを用いた実装技術の開発や、はんだ合金を使用しない導電性接着剤(エポキシ系樹脂に銀粉などの金属を分散させたものが主)を用いた実装技術の開発が世界的規模で進められていることは、すでに周知の事実であり、その合金候補はSn-Ag-Cu 系を中心にほぼ固まっている。 鉛フリーはんだ合金の研究開発は以前から進められており、多くの特性データが発表され、実用化も進んでいるが、はんだ接合部の外観評価基準についての公的基準の整備は遅れているのが現状である。  日本における電子機器のはんだ接合部基準の経緯は、『MIL-STD-2000 はんだ付け電気及び電子アセンブリに対する標準的要求事項』または『ANSI/J-STD-001』( ※ IPC-A-610 Acceptability ofElectronic Assemblies)などが適用または準用され、各メーカーはこれらをベースに社内基準を作成し、製品に適用してきた。 しかしMIL-STD-2000 は廃版となり、現在 電気・電子機器業界では、IEC 規格(※ InternationalElectrotechnical Commission) IEC61191-1~ 4 を公的基準として引用する方向にある。この規格の中身はMIL-STD-2000 の内容を引き継いでいる。 現在、日本国内ではJEITA(社団法人電子情報技術産業協会)がこのIEC 規格に鉛フリーはんだを適用対象に追加し、JIS 化に向けて準備を進めている。また、JWES(社団法人日本溶接協会)は、マイクロソルダリング技術認定・検定制度を発足(平成15 年7 月)させており、はんだ接合部の判定基準にIEC 規格61191-1 ~ 4:クラスC を採用して試験を行っている。 鉛フリーはんだは機械的性質が良好であり、