実装技術1月号2012年試読

実装技術1月号2012年試読 page 22/24

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概要:
59消費電力が増大します(図2)。CPUクロックの高速化は単にCPUチップの消費電力を増大させるだけではありません。CPUが高速化されると、CPUに接続されているメモリをはじめ、あらゆる素子も高速化を要求され、シス....

59消費電力が増大します(図2)。CPUクロックの高速化は単にCPUチップの消費電力を増大させるだけではありません。CPUが高速化されると、CPUに接続されているメモリをはじめ、あらゆる素子も高速化を要求され、システムとしては、非常に大きな消費電力の増大になります。 CPU のマルチコア化はコアの数を増やし、クロック速度を上げなくても並列で処理を行うことにより、処理能力を高めようとするものです。並列のビット数を増やして、クロック速度を低下させるメモリのWide IOと同じ考えです。マルチコアでの並列処理で処理能力が向上させるために、OSやアプリケーションソフトもマルチコア対応になってきました。2. 消費電力とは IC の消費電力について考えてみます。ICには必ず電源ピンとグランドピンがあり、これらは電源ラインとグランドラインに接続されています(図3)。 そして、この電源ピンとグランドピンとの間には電流が流れています。電源電圧Vと流れる電量I の積がこのIC の消費電力Wになります(図4)。  W=I*V(ワット) また、V / I の値をこのIC の内部インピーダンス(インピーダンス)Zと呼びます。  Z=V/(I オーム) ここで、IC の電源Vは定電圧電源に接続されているので、常に一定です(実際はSSOノイズのため、多少の変動はありますが、その変動は0.1V 以下の小さなものです)。 IC の消費電力は常に一定なわけではなく、内部の回路の動作に応じて常に変化しています。ICに流れる電流が大きくなれば、Vは一定なので、消費電力が大きくなります。ICに流れる電流が変化するということはIC の内部インピーダンスが回路の動作状況に応じて変化しているからです。電力はエネルギーですから、ICで消費されたエネルギーは何らかの形でICから放出されています。一部のエネルギーは電気信号として、他のICに送られます。しかし、電気信号のもつエネルギーは比較的小さいので、これだけでは、IC の消費電力のほんの一部しか使いません。さらに、普通、ICは出力と同程度の信号を他のICから入力していて、電気信号として出力したエネルギーと同程度のエネルギーを電気信号として入力しています(図5)。しかし、信号のエネルギーはIC の消費電力全体から見ると、非常に小さな割合を占めるに過ぎません。 電気信号のエネルギーのごく一部は電磁放射エネルギーとなったり、終端抵抗や配線の損失で熱となったりして消費されます。ICで消費されるエネルギーの大部分は熱エネルギーになってICから放出されます(図6)。現在、特に高密度実装を行っている携帯電子機器では、電池の持ちも重要ですが、低温やけどの問題など、熱対策にも大変な努力をしています。 ICパッケージは熱対策や電気特性の問題を解決するため、非常に高機能で高前田真一の最新実装技術 あれこれ塾図3 ICは必ず電源に接続されている図5 入出力信号もエネルギー図6 入出力信号もエネルギー図4 ICはインピーダンスと考える